天才とバッティングセンスの違い

みなさんは、天才とバッティングセンスの違いがわかりますか?天才とは先天的能力の持ち主のことでは無いかと私は思っています。昔から「赤子は皆天才」といわれていますが、その赤ちゃんの中でも周りより遥かにずば抜けた能力の持ち主のことを指すのかなと。この特異な能力は、現時点では後天的に鍛えることは不可能ですから諦めるしかないのですが、ではセンスとはいったい何か?

今後科学が進歩して天才の能力が身につけられるということが起こるかもしれませんが、現時点では先天的な能力は諦めるしかありません。では、これに対してバッティングセンスとは何か?じつは天才と同じようなニュアンスで使われがちですが、これは後天的に身につけることが可能なんです。

センスのメカニズムのページでも解説していますが、ある動作を起こした時の「重心感知能力」と「身体の奥がいかに使えるか」という2つの要素がカギを握っています。つまり、天才にはなれないけど、第三者から見た時にバッティングのセンスを感じる動きを行う事は、誰でも可能であるということです。


※動画は重心感知能力を鍛えるセンストレーニング

プロ野球選手は天才なのか?それともセンスなのか?

こういった話をすると、「イチロー選手は天才なのか?」という疑問が浮かんできませんか?これは、アナログ的に変わっていくので、現役選手で100%天才という選手はいないというのが答です。100%天才なら、MLBでは毎年確実に4割を打てるというレベルでしょう。

当然それだけの大記録なら何百年と歴史に名が残ると思います。ではイチロー選手は凡人なのか?間違いなく天才ですね。ただしそれは我々アマチュアの凡人からみた場合です。これがもし絶好調時の青木選手からみた場合、イチロー選手との差が埋まるということです。

両者ともヒットを打つという動作では、日本でトップクラスですが、アマチュア時代からその天才性が騒がれていた選手だったかというと、意外にもそうでもないんです。

才能を生かすも殺すも環境次第

「じゃ2人は先天的な能力がないのでは?」と疑問を感じませんか?実は、これが現在日本が抱えている優秀な人材が育たない問題そのものなんです。つまり、持っているはずの能力を環境によって引き出せない場合が多々あるということ。

人は例外なく誰もが周りに支えられながら生きていますから、とうぜん人間関係からか、その支えが本人のプラスに働かない場合もあります。

100%天才の先天的能力を持って生まれる人間は、歴史上を探しても数人でしょうが、数%・数十%の先天的能力なら赤ん坊の時にほとんどの人間が持ていると私は思うんです。それが、ちょっとした環境の違いや周りの支えがマイナスに働いた場合(認めてくれない・ノルマ化・パターン化etc…)によって少しずつ少しずつ失われて行くんです。

ですが、それを必死に守り続けプロで一気に開花するというケースも稀ですが存在します。先の2選手は完全にこの例でしょうね。

雑誌などで生い立ちの記事を目にすることがありますが、笑っちゃうくらい周りの大人に反抗していたようです(笑)通常は高校時がピークで、プロ入りしてからどんどん活躍できなくなるのですが、超一流と呼ばれる選手はプロ入り後どんどんパフォーマンスが上がりどんどん活躍するわけです。

センスをあげることは今すぐにでも取り組めること

グランドレベルで、この天才と曖昧に認識してきたのがセンスという部分ですよね。少年野球なんかでは『うちの子は野球センスが無いから上手くならない』という悩みを抱えていらっしゃるお父さん方も多いと思いますが、センスというのは重心感知能力を鍛えていけば上がってくるんです。

この能力は、誰も感じたことのない、明らかにその選手一人だけ別の世界が見えている…といった類のものではなく、普段の生活でなにか道具を扱う時に誰もが体感していることです。それらの“意識や感覚の精度”が研ぎ澄まされたとき、センスというのは上がってくるんです。

もう一度いいますが、これは後天的に誰でも鍛えることは可能なんですよ。簡単なトレーニングですから毎日続けたいところです。

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