内野ゴロばっかりでヒットが打てないバッターの解決策
このホームページではバッティングというジャンルのオーソリティを高めるべく記事を書き続けているのですが、無価値の記事を量産するよりも、できるだけ皆さんの役に立つ記事を書きたいので、どのようなキーワードで訪問しているのかなど日々細かくアクセス解析をしています。で、そのアクセス解析なんですが、この間ぼんやり眺めていたところ【バッティング 内野ゴロばっかり 打てない】という、ガチで悩んでいそうなキーワードでお越しになられた方が…。
少年野球のお父さんコーチなのか、中学生・高校生の選手なのかはわかりませんが、打っても内野のゴロしか飛ばないということは、スイングに何らかの原因があるはずです。
どのような原因が考えられるか、またその解決策は何か?カンタンにまとめてみたいと思います。
そもそもミートしきれていない
まず考えられるのが、ボールの芯をしっかり打ち抜いているのかという点です。打球が内野のボテゴロばかりだという場合は怪しいですね。こういうケースは差し込まれている選手に多いと思うのですが。
私が考える“差し込まれるバッティング”というのは、「自分の打てるタイミング」も「バットに当てる位置」もすべてが投手によって狂わされたという意味です。逆に、詰まったバッティングというのはちょっと違くて、私はこれは良いと思っているんですよ。
たとえば…日本刀をイメージしてみてください。刃の部分ってかなり長いですよね?命がけの斬り合いの場合は、どの部分でもいいので刃が触れさえすれば勝ちですから、刃の先端付近で当てるように振っていくよりも、刀身すべてを上手く使って振っていくのが最も効率が良いんですよ。同じように、バットも根っこから先端までを使っていくという考えでスイングしていくと、ピタッとボールとバットが不思議と合うんです。
たとえ芯を外しても、元から根っこに当たることを想定して振っていますから、タイミングも間違っていないし、振り切っている(ヒットにできる可能性のあるスイングを完了しているという意味であり、決してフルスイングという意味ではありません)ので、詰まっても内野の頭を越えたりするんです。
これはイチロー選手がイメージしやすいですね。外野の前にぽとりと落ちるヒットは狙って打っていると言われると『ウソでしょ!?』って思ってしまいますが、上記の説明の通り“差し込まれていない”以上、根っこに当たってもヒットにできることを前提にスイングしているので、通常の選手とは根本的に違うという事ですね。
ですからミートしきれていない選手に考えられるのは、完全に差し込まれているのか、それとも“詰まるというのが悪いと思っている”このどちらかです。
解決策
- タイミングがしっかりとれているか軸足を確認
- 詰まるという概念を無くして打席に立つ
- グリップ先行で柔らかくスイングする
クリーンヒットじゃないとヒットと認めないというポリシーがあるのならまぁそれでも構わないでしょうが、いま解説した根っこから先端までを使うって技は、じつは言うほど簡単じゃないんですよw 芯を狙って外すという事はそもそもガイドラインとなっている芯は正確に感じられているのか?上手にバットは扱えているのか?ってとこに繋がっていきますからね。
やはり具体的にはバット中心操をやり込むのが一番ではないでしょうか?重みがわからなければ何もはじまらないですから。
スイングの軌道が意図的に作られたものである
次に考えられるのは、物理的にスイングの軌道がゴロしか飛ばないという点です。私はよくバットの軌道は自分で作るものじゃなくて、バットが行きたいところへ行かせてあげると自然と良い軌道が出来上がるというように指導しています。
少年野球ではヘッドが下がる選手に対して「バットを最短距離で上から叩くようにスイングする」というイメージを教えられますが、これをイメージの範囲に留まらず実際にその形を行ってしまっている選手が非常に多いです。これをやってしまうと、どうしてもバットの軌道が不自然になりますので内野ゴロしか打てない場合は、この作られたバットの軌道に当てはまる可能性が高いのではないでしょうか?
金属バットは軽い物でもそこそこ重量がありますから、それを無視して無理に操作しようとすると思わぬ事態(今回のテーマでもある内野ゴロ量産…私も小学生の時はゴロキングだったなぁ)を招きますから気を付けたいところです。
解決策
- バットの芯(重心)の重みをしっかり覚える
- バットの軌道を細かく決めつけないことが大切
- スイングに迷ったら体の軸を意識するだけにする
頭で理解してからじゃないと運動に移せないというタイプの選手が多いように感じますので、見た目単純なんだけど脳をめっちゃ使うという練習がお勧めです。二刀流での素振りなんかはどうでしょうか?体の軸だけ意識して両肩甲骨からだらーんとバットの重みを感じる事を練習していれば、必ずバットとお友達になれますよ!
ランナーがいるとケースバッティングを深く考えすぎてしまう
パワプロだと全打者強振にしてホームラン狙い…なんていう強気な攻めができるのでしょうが、実際に野球の試合を行っているとこういったメンタルも大きく左右すると思うんですよ。『ランナーが二塁にいるからこういうケースは右方向へ打たなきゃ』とかね。そういう時に限って最悪なシナリオが待っていたりもするわけです。まぁそれが野球の面白さだったりするんですが。
そういう選手はちょっとくらい怒られても良いからエゴイズムを発揮すべきです。いくら団体競技だといっても相手に易々とアウトを与えるバッティングしかできないのなら考え物です。だったら相手も人間なんですから、しっかり自分のスイングをしてプレッシャーをかけていく方がよっぽど良いのでは?と思ったりもします。
もちろんそれが出来ないから苦労しているんでしょうが…。そんな消極的なバッティングを解消するにはスイングの準備期間で工夫をするといいですよ。
解決策
スイングモーションは、山と谷がハッキリしてしまうと一瞬の判断が遅れたりしますから、これをなるべく減らすようにします。静からいきなり動にするのではなく、動から動でスイングを開始する。『いつでもバットは振れますよ』という体勢にしておくことですね。
- 両足の踵を交互に踏みかえるようにしてみる
- 両肩甲骨を交互に上下に動かしてみる
- グリップを柔らかくにぎにぎしてみる
- 脊柱(背骨のライン)を微妙に左右前後へ動かしておく
上記のポイントは個人的にお勧めです。ケースバッティングのセオリーというのを頭に入れつつ、常に打てる体勢で勝負していれば、自分が得意なコースは自然と反応できるようになります。「いつ、どこから、どのタイミングでも」といったら大げさですが、ガッチリ構えて待つよりも、全身に揺すりをかける方が遥かにボールへの対応力は上がります。そういった事実は『よし!これなら打ちに行ける』という打席での自信にも繋がりますから、積極的なバッティングを目指すバッターは、ぜひ試してみてください。
まとめ
技術的にはヒットが打てるレベルであるのに内野ゴロしか飛ばない場合は、あまり深く考えないようにすることが大切ですよ。スイングモーションを考えたらキリがないですし、打つと思ってバットを握っている以上は、ボールに集中するのが一番です。
変にアッパースイング気味にしようとか、レベルスイングにしようとかを考えるよりも、バットの芯を感じながら打席に立ち、常に打ちに行ける準備をしてボールに集中する方が断然解決へと向かうはずです。真面目な選手ほど深く考えてしまいがちですから、そういう選手はこの記事を参考にバッティングをしてみてください。