選手のコンディションを見極める難しさとお勧めチェックポイント
前回の記事ではWBCの一流選手の動きに注目すると参考になる部分が多いと書きましたがオランダ戦はどうでしたでしょうか?私も楽観的に東京ドームなら間違いないと言ってましたが、いやーまさかここまで打つとはwこういう大会で圧倒的に勝つというのはめちゃくちゃ気持ちが良いですね!!
これまでの戦い方を考えるとホームラン6本は正直予想できませんでしたよね。私は台湾戦の勢いというか流れという“目ではみえない部分”を観ていて感じましたし、やっぱ『野球は機械じゃなくて人間がやってるんだよな』としみじみ思いました。たった数日間では技術的には何ら変わらないのに、ここまでパフォーマンスが異なるんですから野球って面白いですよね。
それから、打線も凄かったけど圧巻はマエケン!あれは凄い。大会前はコンディション不足が露呈して明らかにダメだろと思いきやここまで仕上げてくるわけですからやっぱプロはすげーなと。ただ、これだけ調子の波が激しいとベンチも見極めるのが大変ですよね。
マエケンがマウンドに立ったら注目するのは胸の動き
今回のテーマはズバリ調子の見極め。選手も指導者も知っておくと良いかもしれないポイントをちょっとマエケンの例で解説してみます。
彼がマウンドに立っているときに行う、両腕を伸ばして胸を広げる動きです。あれはかなりわかりやすいですよ。
ルーズショルダー気味の投手なら何となく体感としてわかると思いますが、調子が悪い時は0ポジションが外れやすく肩で引っ掛かりが起こりやすくなります。マエケンがどのような意図で行っているかは知りませんが、肩甲骨と上腕骨のラインを繋ぐためにあの動作ってかなり使えるんですよ。
単純に腕を横に水平方向に伸ばすだけなら肩甲骨もいつものポジションにあれば一致するので何ら問題はありません。ただ彼は前後に「クッ、クッ」と小刻みに動かしますのでその動作に合わせて上半身の各パーツが連動しなければいけません。で、身体の調子が悪いときと良い時の差がわかりやすい。
胸肋軟骨の柔らかさがカギを握る
調子が良い時は胸骨と肋骨のジョイント部分(胸肋軟骨)が柔らかく開くように動き、肩甲骨の開閉運動もスムーズで上腕骨が一致したまま連動して動かせるんです。
逆に、調子悪いのかな?というときは胸肋軟骨はまず動かない。胸の前後動が無いので肩甲骨の柔らかさが仇となり0ポジションが外れやすくなる。
ここまでなら試合の中で修正したりスキルでカバーできるんですが、最悪なのは肩甲骨周辺まで固くて明らかにいつものリズムとは異なる場合。こうなると登板は避けるべきかなと。
もちろんプロですから身体の調子が悪いから負けました~では済まされませんので無理しなければいけない場面もあるでしょう。しかしそれはプロの話。少年野球の場合は別ですよね。やはり指導者の方はいつでも選手をみておくべきかなと。
こういう動きはウォーミングアップで取り入れても面白いですし、肩甲骨と上腕骨が一致しているかどうかは触ればわかりますからね。それと胸周辺の固さは精神的な部分も大きく影響しますから、注意してみているといいかもしれません。
もちろんこれは投手に限った話では無く打者でも同じです。決勝ラウンドは侍ジャパンの胸周りの柔らかさにも注目してみてください。