バッティングもピッチングも足腰の強さが大切なのはなぜ??
メールNo.130 配信日2016/08/04
気が付けば8月に入っておりますが
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
いい感じで練習できていますか?
公式メルマガはサボり気味で全然配信してませんので
読んでいただいているユーザーさんには申し訳ないです。
以前からちょっと書いておきたいネタはあったのですが
中々機会がなかったので、今回から何回かに分けて書いていくつもりです。
どの選手も上達のポイントになるであろう「腰」について少々お話ししていきます。
足腰の強さは2つの要素から成り立つ?
どの年代も「野球は〝足腰の強さ”がパフォーマンスを左右する」というような指導が広く行われていますよね?
高校野球も中学野球も少年野球も、です
オフシーズンは多くのチームで特にラン系の体力トレなんかが多いですし・・・
身体の要である腰の強さは「運動能力に直結するぞ」という認識で
多くのメジャースポーツでも重要視されていますから
野球だけが足腰の強さを求めるわけではないでしょうが。
この強さの定義もいろいろあるかと思うのですが
基本的に野球の動作に必要な「足腰の強さ」と表現するときは
・筋力的な強さ
・高次元な身体操作
の2つがカギを握っていると私は思っています。
野球は8:2の割合を意識すると動作の質が向上する
競技によってフィジカルトレの方法が異なるというように、
動作にブレーキをかける機会が多い競技は身体の前面を
動作にアクセルをかける機会が多い競技は身体の後面を
それぞれ意識して鍛えるようになるかと思います。
野球の場合は投手でも野手でも
ブレーキをかけて踏ん張る機会よりも
アクセル全開で、よりフリーな状態にすべき機会が多いので
割合的には8:2ほどで後ろを鍛えると良いのではないかと個人的には思ってます。
もちろん本格的な筋トレができない小中学生であっても
8:2で後ろ側が使えるような体つきを目指しながら練習をすることは
試合中のパフォーマンスにもすごく影響してきますので
たとえ筋トレをしない場合でもこの使用比率は例外ではありません。
具体的に鍛える筋肉は
ハムストリングスと内転筋、それから腸腰筋ですかね。
筋トレをするとスピードやキレが落ちる?
ただ、これらをどう鍛えればいいのかって話が難しい。
昔から筋トレ不要派と筋トレ推奨派に分かれるように
その人の価値観や、どこを目指しているのかによって
言い分が真っ二つに割れるのが野球の面白いところでもある。
限定的に狙ってスクワットなどの
高負荷トレで筋トレしたほうが数値としてのパワーは出ます
が、科学的な数値では現れないもの・・・
「感覚的意識」が筋トレすると鈍るって人もいます。
筋トレすることで研ぎ澄まされていた感覚的意識が
醜くぶよぶよと太り〝いつものリズム”を狂わせる。
これを嫌う人は「筋トレでスピードやキレが落ちる」といった表現をしますよね。
たとえば、右利きの人の場合
ボールを右腕で投げた場合の「指先の感覚」がありますよね?
それと比べて左腕で投げた場合の感覚はどれくらい違いがありますか?
筋力的な問題は置いといて
リリースの感覚だけみれば、もどかしさの度合いが半端じゃないですよね?
もちろんその差は人によって異なるでしょうが、利き腕よりも逆手のほうが劣る。
プロの一流と呼ばれる投手の感覚とアマチュアの投手の感覚とでは、
我々の右手⇒左手の指先の感覚よりもだいぶ差がある、といえばイメージしやすいでしょうか。
こういう感性がトレーニングにも当然左右してくる。
前述の筋トレ不要論の話にもあるように
ガンガン鍛えたら感覚的意識が鈍るって人。
それは、
研ぎ澄まされた感覚が鋭すぎるが故に、少しのズレも気になるって人なのか?
それとも、そこまで鋭くはないので「感覚が鈍ったときに自分でチューニングができない」って人なのか?
やはり日本のプレースタイルは・・・
日本の野球スタイルは大ざっぱではなく
繊細なコントロールが求められる傾向にあるので
たぶんここのせめぎあいが選手・指導者の中であるのではないかと
単純に科学的なパワーの数値で競い合う競技なら
多少感覚が鈍ろうが目的はハッキリしてますからこんなことでは迷いはしません
数値には表せないそういう部分も大事にするようなプレースタイルだと
『筋トレでパワーを上げたいことは上げたいんだけど、キレやスピードが奪われるのはなぁ・・・・』
『筋トレでスピードやキレが落ちるとか迷信ですよ』
『でも実際、肉体改造で失敗している人もいるじゃん・・・・』
こんな感じで迷う。
研ぎ澄まされた感覚が鋭すぎるので少しのズレが気になるんだ。
だから筋トレでガンガン鍛えたら、動きと感覚のズレを調整しよう・・・
これが自分で行えるのであればベストなんだけど、そこがくっそ難しい。
冒頭でもいった「足腰の強さ」は
・筋力的な強さ
・高次元な身体操作
の2つがカギを握るってのはまさにその問題。
優れた動きを低下させないような優れた筋力アップ法などは
探せば世の中にはいろいろあるでしょうから
筋トレの方法自体は自分に合うものを探して実戦しながら試したほうがいいです。
それとは別に、方法自体を正しく行ったつもりでも
上記2つのバランスが崩れている選手だと
「本来正しい筋力アップ方法で得られるメリットが激減する」ので注意が必要。
まとめると
「筋力バカ」だと日本の精密な野球スタイルには上手くハマりそうにもない。
が、感覚的意識を疎かにせず
むしろ「自分の身体の隅々まで把握する勢いで調整」しようとすれば
そこまで極端に筋トレをしない限りバランスは崩れはしない、ってことです。
以上が私の基本的な考え。
次回はこれらを踏まえたうえで、
腰周辺の強さを小学生でも無理なく鍛えることができちゃう
お勧めの方法をまとめていこうかなと思います。