野球に必要な股関節裏を鍛えると何がいいの?選手の基礎を担う2つの効果を紹介します
メールNo.140 配信日2016/11/17
これまで股関節裏を鍛えることを徹底してお勧めしていますが、
『そこが使えると実際にどんな効果があるの?』って部分がみなさん気になるところですよね?
私は基本的に
選手へ対して練習の効果を積極的に話しませんので
「これやってみるといいかもしれませんね」程度のスタンスですから余計にそう感じるでしょう。
これの理由は、ネタバレすると楽しさが半減するから…ではなく(若干あるかも(笑))
やはり選手の感性を大事にしたいですし、
こうじゃなきゃダメと決めつければ
それだけ本質力を潰す要因にもなりますからね。
それともう一つは
「頭でいくら理解しても、実際にカラダがその状態に無い選手はどんなに小細工しても意味がない」のが身体運動なので、頭で考えるほど無駄なものはない。だから論より証拠って感じでやる気ある選手だけにやってもらう
という理由が前提にあるので
今回は選手へ伝えるというより、
『選手へ教えるにあたって狙いを知っておきたい』という指導者へお伝えする形になります。
運動の基本は軸がどれだけ安定するかがポイント
股関節裏を整えると何がそんなにすごいの?って回答。
ズバリ!【動き出しの早さ】と【動作と動作のつなぎ方】が飛躍的に向上する。
バッティングもピッチングも守備も走塁も
共通している部分は「重心のコントロールの優劣」
パワー・スピード・〝精確”性が高次元で求められるのが野球というスポーツですから
あらゆる動きで体重を上手に移動し、ロスなく重心をコントロールしなくてはいけません。
重心の要となるのが、
昔からいろいろな競技で言い伝えられているような
体幹を代表する「カラダの軸」です。
我々二足歩行のヒトが地面の上で立って行う競技の場合、
この軸を安定させる要素の1つが股関節というわけ。
動き出しの圧倒的な早さはプレーに余裕が生まれる
動き出しの早さは
守備なんかの「一歩目の判断」って言われるやつを想像する人が多いかもしれませんね。
もちろんそれも正解です。
股関節裏、ハムストリングス上部を掃くような使い方ができるカラダだと、
腿の前でグッと力を一旦入れてから進むカラダより初動が圧倒的に早い。
バッティングで初動が早いということは、
逆にギリギリまで見極めてからでも十分に間に合うということも可能ですから
対人戦において最も強い、後出しジャンケンができるということ。
昔は踵を上げつま先立ちで、
重心を低く構え「踏ん張って踏ん張って」という教えが多かったと思うのですが
それだと加速・減速・加速・減速みたいな非常にエネルギー効率の悪い運動になってしまう。
たとえば、歩きでもジョギングでも構いませんが
急な下り坂をセーブしながら下りてくると「腿の前でブレーキをかけている」自分に気づきませんか?
まさにあの感覚です。
野球の動作はブレーキをかけずに
いかにアクセルをフルスロットルにできるか?またその状態で上手にコントロールできるか?が求められますからね。
ピッチングなんかは体重移動のエネルギーを殺さずに
スピードや方向を毎球、各打者毎に微妙に変える駆け引きとかも、やはり股関節裏の強さがカギを握ります。
なので腿前の使用比率が高い選手は必然的に…というお話です。
センスを感じる動きに必要なスムーズさの秘密
股関節裏、ハムストリングス上部を掃くような使い方ができるカラダのもう一つの利点は
動作間の山と谷がハッキリしないことです。
簡単にいえば「蝶のように舞い」ってやつ
1・2、1・2って感じで動作を行っていると、ぎこちない動きになるので
「見るからに下手くそだな」って印象を与えますが
いちぃ~~~って感じで動作がつながっているように見えると
トップスピードは大して速くなくても「あー上手いな」って印象を与える。
これは運動の基準となる線が高くなることが大きいです。
超簡単に言っちゃえば腰の位置が高い!
膝が常に折れやすく踏ん張っている印象ではなく、
欧米人のようにすらーっと
まるでおへそのあたりから脚が生えているのではと感じるほど
一流のプロ選手の動きをみてるとみんな一様に腰が高いですよ
勉強熱心な方は
合気道の塩田剛三氏、サッカーのC・ロナウド選手あたりの動画を探してみて見比べてみると面白いかも。
それと野球選手ね。ノックの動画とかでも目線は低いんだけど腰の位置が高いから上下動がしない。
普段なら「キャッチングうめー」「スローイングすげー」で終わりますけど
その上下動が極端に少ないすり足のような体捌きは、冷静に考えたら相当スゴイんですが
プロはそれを当たり前にやるもんだから逆に気にならないという矛盾が(笑)
以上
ざっと文章だけでしたが効果は大体そんな感じです。
私がバカみたいに「股関節裏のハムストリングス上部を鍛えろ」って言い続けてるのは
これが少しでもできるカラダを整えて・・・ようやくスタートラインだからです。
やっぱりチーム内ですら優劣がハッキリしているため
残念ながら腿前の比率が高い選手は方向性が異なるため壁を超えるのがなかなか難しい。
少しでも変わってくれば動きが明らかによくなってきて選手も実感しますから
そこまで上手く誘導するのが指導者側には求められそうですね。
今冬はハムストが使えるカラダになるように
ぜひチャレンジしてみてください!!!