上手い選手は出来ている!野球上達に必須なベストという身体意識
メールNo.163 配信日2018/07/27
前回のメルマガでは、肩のローテーターカフやバランスについてお話しました。
肩の状態をチェックできる簡単なやり方をまとめたページも併せてご紹介しましたが、皆さんの肩の状態はどうでしたか?
私と同レベルで肩が壊れている場合は、すぐに病院で診てもらってください。バランスが悪い状態で練習を続けていると、それを無意識に庇って別の部分へ負担がかかるリスクもありますから。
スイング系スポーツに必須!「ベスト」という概念
さて、本格的に動作を解説する前に必ず知ってほしいことがあります。ゆる体操の高岡氏が提唱する、数ある身体意識の内の1つ「ベスト」という概念。
センストレを以前から行っている人はご存知かもしれませんが、このベストという身体意識を鍛えるトレーニングを行うと、野球のあらゆるシーンの動作でパフォーマンスが向上します。これは断言してもいいです。
ベストが出来てくると何がすごい?
「肩甲骨・鎖骨・肩関節」+「肋骨・背骨」を中心とした、背中から胸にかけての流動的な運動ができるようになります。
野球が下手くそな選手は皆一様に”肩関節を中心”に投動作や打撃動作を行いますが、ベストができると、あたかもこのラインが巨大な関節のようになり、上半身の運動性や連動性が飛躍的に高まります。
ベストが通る正確なラインとは?
鎖骨-乳首-脇下が前側、肩甲骨と背骨の間が後ろ側、これがベストが通るラインです。
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ベストは必ずゆるとセットで行うこと
レベルアップを考えている皆さんには、実際にこのベストをトレーニングしていただきたいのです。
身体意識というと非常に難しいイメージもありますが、方法としては簡単です。
最初は単なるイメージでしかなくても、自分の中に落とし込むと「肩甲骨よりも深い位置からパワーを生み出す」ことができたり「手腕部を上手にコントロールする」ことができたりします。
ただ、トレーニングを行う前に注意事項を1つ。これら身体意識というのは、”ゆるんだカラダをベースに創る”ことが大前提となります。絶対にです!
なぜゆるが必要なのか?初見の人にわかりやすく理解させるように説明するのは難しいテーマですが、だいたいのイメージだけで構いません。
このベストに限ってお話すれば、肩・鎖骨・肩甲骨・肋骨・背骨のパーツ同士が流動的な運動をして、肩関節よりも深い位置にもっと大きな機能関節を創りたいわけです。
つまり、それぞれのパーツがガチガチに癒着してる状態では「流動的に」という動きがそもそもできません。
ゆるみがベースになって、ライン通りに意識ができると、それぞれのパーツがようやく連動して働くというのは何となくイメージできるかと思います。
従って「ゆる体操+ベストを刺激」これらをセットで必ず覚えてください。
野球選手に最適なベストを鍛える方法とは?
では、実際にどのような方法でベストを鍛えるのがいいのか。
基本は順サイクルと呼ばれる動きが一番わかりやすく、小学生でも無理なくトレーニングしやすいのでおすすめです。順サイクルとは、前述のベストラインを前回り(背から胸へ回る)する動きです。
マエケン体操がおすすめ
ドジャースで活躍している前田健太投手が行う「マエケン体操」をご存知の方もいらっしゃるかと思います。
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私の世代だと上達屋の手塚一志氏がベーダ時代に提唱していた「サークルスクラッチ」でおなじみなんですが、最近の学生は「マエケン体操」のほうがわかりやすいですかね。
肩甲骨の内旋、外旋をリズミカルに行いながら、可動域や連動性を向上させるトレーニング。これを0ポジションを意識しながら行うだけも効果は高いのですが、ベストの順サイクルを使いながら行うだけで、パフォーマンスは飛躍的に向上します。
マエケン体操の運動レベルを順に並べると・・・・
- 肩関節から手腕部を動かしているだけでは低次元
- 0ポジションキープで肩甲骨を回旋させると中次元
- ベスト体を回しながら内旋外旋ができると高次元
ベストの意識を掴むコツ
最初の内はベストのラインは頭で理解していてもなかなかできません。
最終目標が単なる視覚的なイメージではありませんから、ラインをなぞるように指圧しながらカラダに覚え込ませる(体感する)のは、単純ですが非常に有効な方法になります。
自分では背中側が届かないため、練習仲間や家族に行ってもらうのがいいですよ。
特に肩甲骨と背骨の間は日常的に凝り固まっているため、ちょっとやそっとじゃ意識が通りにくい場所でもあります。どうしても自分でやらなければならない場合は、柱の角を使ってモゾモゾしながら筋膜リリースするのがおすすめ。
ゆる体操で、肩甲骨・肩関節・鎖骨をゆったり回しながら揺すり解す。これがまず第一。しっかりとベストラインが通るようにゆるも併用しながらベスト回しも行ってみてください。
それから、『どれくらいやればいいのか』という質問をいただくのですが、筋力トレーニングのような練習ではないため、回数や時間は気にしなくて大丈夫です。
もちろん、やりすぎは良くありませんが上半身をゆるめることを前提に行うわけですから「気持ちよくなるように」が最適解ですね。