ボールはちゃんと見るがしっかり見てはいけない
少年野球では『よくボールをみろ』『しっかりボールをみるんだ』という指導が行われていると思いますが、実はボールをよくみると逆にバットにボールが当たらなかったりするんです。車を乗っている方ならイメージできると思いますが、交差点で何台も同時に確認しなければいけないシーンで、1台1台を目でしっかりみていると逆にみていなかった方向の車が死角になり思わぬ事故になったりするんですよね。
野球も同じで、ある程度技術がある上手な選手は守備でも最後までボールをみようとしませんし、むしろ簡単なボールなんかは軌道を確認したら目を切ったりしますよね?
じつはバッティングもこういった目の使い方をしたほうが上手に当たるんです。
もちろん何も見ないでバットに当てることはできませんから、ちゃんとピッチャーをみることはみるんですが、ボールを目で追ってしまうと急激な変化に対応できずなかなか当たらないなんてことも起こってくるんです。
これは中心視と周辺視というボールの見方なんですが、しっかりみるのが中心視でだいたいボンヤリとみるのが周辺視です。
速読術の目の使い方が最近のスポーツ界でも注目されていますが周辺視は野球でも当然有効です。
昔日の剣術家は、この目の使い方は真剣で斬りあう場面で有効だと言っていたそうです。つまり相手の予測をいかに裏切るかというのが生死を分ける重要な要素となってくるわけですからバッティングも本質的には同じですね。
変化球や直球に慣れないというバッターは周辺視でボールをみるといいでしょう。中心視とうまく使い分ける事でバットに当たるようになりますよ。