【周辺視は難しい!?】 ~バッティングアイの上達法~
昨夜、私がメールサポートをしている学童野球のお父さんから 面白い質問をいただいたのでご紹介します。『「ホームランの打ち方」で周辺視と中心視の違いをみて思ったのですが これは終始投手を周辺視でみていないとダメなんでしょうか?』こういった質問です。そのメールは、春の大会が始まって何とか結果を残したいという前置きだったのですが、 周辺視を使っていきなり実戦の投手に対応しようとしたようですね。
周辺視でボールの軌道をみるメリット
これは【3週間でバッティングセンスを上げる】で公開している「軸密着キャッチ」が カギを握ります。
この動画をご覧になられてトレーニングをされた方ならわかると思いますが、終始パートナー&ボールの軌道を周辺視で追っていくとトスされたボールをキャッチするのがかなり難しいんですね。じつは私もこのトレーニングを考案したときここに着目したんです。
周辺視のメリットは
- 周辺視でみれば相手の動く気配が鮮明に身体で感じ取れる。
- 周辺視でみればボールの軌道がみえる。
なんですが、 これにプラスして軸を軌道に寄せてキャッチしないといけないんですね。
そうすると、情報がいっきに増えるんです。 だから中心視をある程度使わないと普通の選手ではまず対応できない。 言い方を変えれば、ある程度計算しないと対応できないという事ですね。
もちろんすべて周辺視で行って完璧に道具の芯を身体が感じていれば、 それこそ”無心”の境地に達すると思いますが…現代人では不可能に近いですよね。(個人的にはここを目指していただきたいんですけどね)だから周辺視と中心視を上手く使っていく必要があるんです。
バッティングでいえば…まず中心視で投手をみて、 体重移動を始めたときに周辺視に切り替えてボールの軌道をみる。 インパクトもとうぜん周辺視。こんな感じのバランスが重要になってきます。このバランスをトレーニングで身につけるために 密着軸キャッチというのがあるんですよ。
情報が少ない方が良い動きが生まれる
情報が一気に増えるという事でちょっとここで余談ですが、ボールをキャッチして偶数なら右へ奇数なら左へスローイングするといった練習法を見かけませんか?実はこういった左脳を使った情報処理は野球には全く必要ないので効果はあまりないんですよ。判断力を高めるつもりが、計算をしてから動くという二度手間状態になってしまい動作の居着きを生み出してしまいますからね。
だから、運動の情報は少なければ少ないほどいいんです。
野球の守備の面白いとこって相手チームより先に27個のアウトを取った方が勝ちというルールなんですよね。これってめちゃくちゃ簡単じゃないですか?ランナーが現在インフィールドに何人いようが、すべては敵とみなせばいいわけですからそれらを殺すって情報だけいれてれば”次のプレー”なんて勝手に出来るんですよ。
鬼ごっこなんてそうですよね? 鬼は一人でも多くタッチしたいわけですから、「○○君がこうきたら、僕は左寄りに構えて、中腰にで踏ん張って… △△君はあっちにいるからこうきたら向こうへ走って…◆◆君は…」こんなこといちいち動作の前に考えてたら一人もタッチできなくて間違いなく日が暮れてしまいますよ。 (そういえば、いっつも鬼から抜け出せない子いましたね…)
つまり、子供たちは【守備の高度な戦術】は知らなくても対人競技で重要な【多対一の戦い方】を知っているんですよ。こう考えると、偶数は右、奇数は左…って逆に難しいですよね(笑)
話を戻しますが、周辺視も中心視もバランスを考えれば簡単です。 中心視にすればするほど情報、つまり左脳で考えてしまう事が増えるわけです。でもいきなり周辺視のみでやるにはあまりにも難しい。これは、情報が限りなく少ない状態での運動に慣れていないからです。 だからバランスを考えて行っていく。そうすると試合で結果が残ってきますよ。
かなり長くなってしまいましたが、こんな感じです。大会も始まってきたようですので、試合の結果報告お待ちしております。 どんどん送ってきてくださいね。