手首の返しが早いバッターの改善方法とは?
さて、今回は手首についてお話します。学童野球や中学野球で多い質問の1つに「リストの返し」があります。先日も、とある中学生を指導していた時 インパクトの前に手首が返ってしまい こねるような打ち方になってしまうと相談を受けました。早期に手首が返ってしまうと引っ掛けたゴロが多くなるので どうにか治したいということです。
こういう場合はどうすれば改善するでしょうか? ・・・ズバリ、「振る」のをやめることですね。
バットの構造に反して無理やりスイングしてはダメ
練習をやめろという意味ではなく 力んで振り回すようなことをしてはいけないという意味です。私はこういったバッターをよく 『振りに行ってるなぁ』と表現するのですが やはり身体中に固定的な支点が多いと陥りやすい動作ですよね。
私が提唱する「バット中心操」の逆である「自中操」の動きですね。つまり、自分を中心にバットを操作しようとすると どうしても力みというのが発生してしまい 振り回すようなスイングになる。振り回せば振り回すほど、固定的な支点を使いたいくなる。 固定的な支点を使うと力みが・・・。
こういうのは無意識下で行われてしまいますので 『手首を返さないようにスイングしろ』といわれても その場では改善されません。根本的に固定支点を打ち消していく必要があるんですね。バットの扱い方そのものを変えていくことで 自ずと自分中心に振り回すスイングは消えてきますし 無駄な力は入らなくなります。ただ、バッティングはそれが非常に難しいんですよ。
バットの扱い方は難しい
いくつのも運動が統合されて成り立つのがバッティングですから 『よし、手の力みは無くなった』と思ったら今度は肘が力んでる。
肘の力みがなくなったと思ったら、今度は肩間接が固定的な支点を生み出す。 もう大丈夫だろうと思ってバットを握ったら・・・ すべてが2、3段階くらい力む(笑)これくらい道具をリラックスして正しく扱うというのは難しいです。
しかし、各パーツの力みをリラックスさせることを徹底しないと 何といっても無意識下で起こっているわけですから 到底力みは改善されません。
私が考案したセンストレの「バット中心操」はこれを改善するための 専用のトレーニングなんですが、これもただ揺するだけではダメなんですよ。
本気になって力みを打ち消していくには3つの方向からアプローチしていくんです。
- 1.点検
- 2.質感
- 3.変化
です。
たとえば、緊張する場面で手が震えているとしましょう。この手の震えをリラックスさせようとしたときに大半の方は手を揺すると思います。
この時にまず1.手のどの部分を揺するのか?を考えるんです。指先なのか?人差し指なのか?小指なのか? はたまた中手骨や手根骨といった細かい骨なのか?
次に2.揺するときにどんな質の感じで揺するのか?を考える。指先が金属製の無機質な感じで機械的な感じで揺すられるのか? それとも赤ちゃんのような暖かくて柔らかい感じで行うのか?
最後に3.動作自体に強弱をつけたり 動作の方向を変えてみたりするんです。どうでしょうか? ただただ揺する場合と比べてかなり違いますよね。
これは、かなりわかりやすいので 緊張する場面があったらぜひ試してみてください。
結局こういった部分をセンストレでは求めているんです。 本質さえわかっちゃえば、新しい練習方法を探さなくても ぶっちゃけ既存の技術練習でもセンスは上がるんですよ(笑)ここがセンスの領域ですね。
まとめますと、 手首が早期に返ってしまうなら まず、バットの扱い方から変えていくこと!そのためには力みを徹底して打ち消していくこと! 「バット中心操」は3つの方向から行ってください。