バッティングの軸足の安定感は脱力から生まれる
バッティングでは、重心を軸足の股関節に乗せるシーンが非常に重要です。しかし、多くの選手は体が安定せず、ふらついてしまうケースが非常に多いと思います。これは一体何がいけないのでしょうか?答えは安定感というキーワードに隠されています。安定感というとガッチリ、踏ん張った状態をイメージすると思いますが、実はバッティングでいう軸足の安定感というのは全く逆なんですね。
これはバッティングが運動である以上、必ず起こる勘違いです。
バッティングで使える安定はガッチリというイメージではない
たとえば耐震などはどうでしょうか。
建築では制震構造というのですが、ガッチリ固めたビルよりも五重塔のような、あえて揺れるような構造にして、揺れに対してどれくらい修正するのか?という演算をさせるメカニズムが、じつは人間の運動でも高度に安定するんです。
外部からの衝撃に耐えるための安定を求めるなら、腰を落として力いっぱい太腿を力ませがっちり固めてしまえば安定はするでしょう。
ですが、次の瞬間に投手が本気で打ち取りにきたボール(打者のタイミングを外すことを考えたボール)に対してベストなスイングをしなければいけないわけですから、安定性といっても運動性を殺してしまうような身体での使い方ではダメだということです。
しかし、残念なことに多くのバッターは重心を安定させようと身体の外側の筋肉群を固まらせようとしてしまいます。ここが非常に厄介で、脚の外側の筋肉群をしっかり脱力しなければ、バッティングに使える安定感というのは生まれてきません。
膝が外側へ逃げてしまうのも、じつは外側の筋肉が萎縮してしまい、外へと重心を引っ張っていくからなんです。かといって強引に内側へ絞ればニュートラルな膝の位置がとれませんので、地面からの反力を活かした下半身主導のスイングができません。
バッティングで軸足が安定しないという方は、まずは脚の外側の筋肉をしっかり解すことが重要です。その上で安定しているがすぐに動き出せるポジションを探すのがベストといえるでしょう。