中学軟式の野球指導で必ず行っておきたいこと

中学野球の顧問を任された場合、確率的に競技を行っていた先生方は少ないはず。相手は学童野球経験者とはいえ、素人が打ち方を教えるのはかなり難しいですよね。そんな方に、これだけは知っておきたい指導のポイントをまとめてみました。ただ、一般的なバッティング技術指導ではなく、このサイトのテーマでもある「センスを教えること」を主に解説していきます。ぜひグランドで生徒に教えてあげてください。

技術よりもセンスを指導する方が大切ということ

野球経験が無い場合、真っ先に不安になるのが「俺は生徒に野球を教えられるのか?」ですよね。結論からいってしまうと無理です。相手は中学生とはいえ、単純に考えて野球のキャリアが違いますし、試合を行った事がある人とそうで無い人とでは天と地ほどの差があります。ですが、これはバッティングの技術的な話のみです。

私が提唱する「バッティングセンス」の部分は、生徒はもちろん野球経験ありの保護者の方ですら全く知りません。

技術とセンスのバランスが大切

さらに、どんな選手でも技術とセンスのバランスを整えることが上達の近道なんです。(上図参照。環境はチームの指導環境…まぁ先生方にこれを言うのもなんですが…w)

野球経験者には技術をあれこれ教えないのがコツ

基本的な技術やルールは、書店やインターネット、または生徒に教えてもらう等をして知識を補えば十分でしょう。 ここで間違ってはいけないのは、基本的なバッティング技術を勉強するそれ自体は、あなたが野球を楽しむことが目的であり、これまでレギュラーでやってきた経験者の生徒に教える必要はありません。

もちろん、教えてほしいとお願いされたら教えなくてはいけませんが…。大事なのは生徒が知らない、バッティングセンスの部分を指導することで技術とのバランスを整えてあげることです。小学校から野球を行ってきた生徒なら、バッティングのセンスをトレーニングすれば間違いなく伸びますからね。

逆に中学から野球を始めた生徒の場合は、基本的技術もセンスも指導してあげてください。(無料で公開しているセンストレやセンス理論の動画を参考にしていただければと思います)

他の生徒と比較するのではなく本人をみること

技術指導を行う一般の指導者は、どうしても起こった現象のみを評価してしまいがちです。たとえば、ヒットを打ったとかホームランを打ったとか…。

すでに競技に対する情熱や上達に対する探究心が失せている場合は、起こった現象や打席の結果を評価してあげるのがベストですが、『まだまだ上手くなりたいんだ』と思っている選手に対しては、そこに至るまでの過程を評価することがポイントです。

技術的に評価するのはカンタンなことですし、野球の試合をみていれば競技レベルが高いか低いかは見抜けるようになると思います。ですが、上手くなるための指導をするのなら、他の生徒との結果を比較するのではなく、過程を評価するべきです。そのためにもより本質的な部分を常にみるようにしてください。

スパルタ練習はバッティングのセンスが落ちる

バッティングセンスのある選手に、度の超えた走り込みや筋トレを行うと、皆一様に手を抜きます。逆に、生真面目で正直にすべてのノルマをこなした選手は上手くなりません。なぜかというと、技術とセンスと環境のバランスが崩れてしまうからです。野球という競技において、そのようなスパルタ指導は一切役に立たないということをしっかり認識してください。

世の中には『上手くならない奴も根性やガッツがつくから良いんだ』という指導者の方がいらっしゃいますが、そもそも選手は何をしに野球部へ入ってきたのかを知ったうえで、そのような指導スタイルを行っているのか…私は常々疑問に思います。

とうぜん大好きな野球をやりにグランドへきているのです。 決して根性をつけに入部してきたのではありません。

上手くなるための練習以外は不要。中学野球では、すでに形式的に練習を行うのではなく合理的に練習を行う時代に突入していますので、従来の根性野球は行わないように気を付けてください。

中学野球では野球の本質を学ばせろ!!

これはシンプルかつ最も難しい究極のテーマです。

「野球の本質から逸れている場合」に私がよく使う言葉なのですが、野球の動きにはそれぞれ目的があります。

たとえば、バッティングには「相手を打つ」という目的。ピッチングには「相手を抑える」という目的。 内野手には「ランナーより早くボールをベースに届ける」という目的etc…

こういった、それぞれの目的から逸れる要素が、そのまま生徒の本質的な力(センス)の低下を招きます。 とうぜん野球という競技の核の部分である「本気になって相手を打つ・抑える」という部分を制限されるのなら、すぐにつまらなくなるのは想像できると思います。

もちろん試合で勝つには高度な技術や戦術なども徹底しないといけません。しかし、そういう部分は高校で野球を続ける選手は自然と身に付けますし、本格的にやりたいなら硬式野球を行えばいいでしょう。

中学軟式野球の指導で最も重要なのは、そういう技術的な部分ではなく自己の可能性を知ること。『(努力する方向性を正しく)練習すればこんなにも上手くなるんだ』という体験をさせてあげることです。

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