野球をプレーする上で脱力の必要性を考えてみる
なぜ野球選手は脱力、リラックスが必要なのか?従来の踏ん張ってがむしゃらにやっても好プレーは生まれない理由とは何か?
その理由は大きく分けて2つあると私は考えています。1つめは身体的な側面で、2つめは精神的な側面です。これらを野球センスという観点からそれぞれ解説していきます。
身体の奥が使えるようになる
野球センスのメカニズムの1つでもある身体の奥を使えるようになるということ。代表的なのは肩甲骨や肋骨です。肩甲骨の稼動域が重要だというのは一般的に知られてくるようになりましたが、センスのある選手というのは肩甲骨と肋骨の間がとにかく柔らかいんです。脱力が上手な選手は重力に対して無駄な筋出力を使いませんので、極端な話“肩は凝らない”状態です。緊張していてなおかつ集中すると肩が凝るというのは皆さんも経験があると思いますので多少想像しやすいかと思います。
つまり、脱力すればするほど身体の中心がリラックスできるし、リラックスすればするほどその部分の意識が高まり意のままに操作することもできるということですね。肩甲骨周りが固い選手は、肩甲骨と肋骨の間など到底意識できないと思いますので、それだけでも脱力することの必要性を体感しているはずです。
この事からも無駄な力が入っていない=センスがあるといえるでしょう。
精神的に余裕が出る
こちらは日常生活で体感している方は多いのでわかりやすいのではないでしょうか?調子が良く無駄な力が抜け肩に力が入らず凝りが出ない日もあれば、何をやっても力が入る感じがして首のほうまで痛くなる日もある。前者の場合精神的にも前向きになり「やるぞ」という気になりますが、後者の場合ですと「めんどくせー」となりますよね。
これはバッティングの脱力も同じで、今から投手と本気で勝負するというのに、身体はガチガチに固まり精神的に余裕が無い状態・・・果たして勝負になるのか?ちょっと良いピッチャーと対戦したら「うわ、球速いな。打てそうも無い」と感じてしまうのも無理もありません。仕事で言えば「うわ、仕事量多いな。今日中に終わりそうにも無い」と感じるあれですね。
リラックスは精神面に非常に良いというのは、科学的にも証明されているようですが、センスの面から言えばリラックスすることで「相手を打つ」という意識がよりシンプルになり、また意識が洗練され相手とベストな状態で戦えるということでしょうか。普段からリラックスするための専門的な方法を行うことが重要ですね。小学生は特にこういった部分を普段から重視して練習すると、中学・高校と環境が変わったときにも本質力が失われず上手に成長するでしょう。