プロの発言を理解するなら「本質」を見極めろ!

プロ野球選手の発言力は凄まじい物があって、少年野球の指導者は真理を見極める力が必要とされていると思うんですよ。極端な話、自分の中でバッティングの極意を掴んだが誰にも教えたくない、あるいはコーチとの指定関係上その奥義ともいえる打ち方を公言できないといった場合。意図して異なることを言ったりもするわけです。そういう表面上の情報に左右されないためにも、小学生にバッティング指導を行う人は本質をしっかり理解したうえで教えたいところです。

今回のテーマでもあるプロの発言関連で面白い記事を発見したのでご紹介します。今シーズン200本安打を達成した西岡選手とマートン選手のコメントです。

――西岡選手のコメント

「初球からどんどん振っていくというスタイルを崩さずに、 ボール球をしっかり見極めようと考えました。そのために今年は、 打つポイントを身体に近づけようと意識したんです。今までは、 当たれば飛ぶという理由で身体の重心をボールにぶつけにいって、 前で捌いていました。でも、それでは変化球に泳がされるし、 ボール球にも手が出て、空振りも多くなる。だから、ポイントを 近くしたんです。その分、差し込まれて詰まる恐れもありますけど、 振り切ればいい。しっかり振り抜いて200本を打つんや、というところは 絶対に譲らんとこうと思ってました」


――マートン選手のコメント

「詰まることを恐れないという意識は重要だよ。優れたバッターは、 詰まることを怖がらない。意識すべきは両手の軌道であって、 打球の強さよりも手の動きが正しかったかどうかが重要になるんだ。 常に正しいスイングをして、適切な角度でボールを捉えられるかどうかを 強く意識する。結果として、詰まって内野の頭を越えるポテンヒットに なったとすれば、それがまともなスイングだったという証になる。 スイングが悪ければ、内野ゴロに仕留められてしまうのがオチだからね」

以上がシーズンで200本もヒット打ってしまうバッターのコメントです。

これは私が再三再四語ってきた「早さ」「軸の壁」そして「バット中心操」ですよね。こういったプロの感覚や意識を比較的簡単に情報として入手できるのは アマチュアの選手としては非常にありがたいことですが、やはりここにも危険な罠が潜んでいます。そうです。物事の本質を見極め、1枚1枚剥がしていきながら理解するといった考え方ができないと 単なる物まねで終わってしまう。

たとえばこの両者のコメントを聞いた中学生A君が 「そうか、打つポイントは前にしちゃいけないのか!もっとギリギリまでボールを引き付けて しっかり振り抜けばいいんだな!よし早速やってみよう」こう考えてしまうと99%のバッターは大スランプに陥ります。

ギリギリまで引きつけたら、反応から駆動までの時間が極端に短くなる。

つまり、身体の近くまで見極めて「打てるボールだ」と判断した時には 相当呼び込んでるわけですから、スイング~インパクトの時間を逆算すれば いつも通り普通に振ったら間に合うはずがないんです。これがバットの扱い方という本質力。「バット中心操」で早さを求められるのか? それとも「自中操」力いっぱいブン回して破壊力や速さを求め振り遅れるのか?

この部分を理解して練習しないと西岡選手やマートン選手の「本質」には永劫届きはしませんよね。

そして軸の壁。

そもそも、これが発達していないバッターは呼び込むことすらもできません(笑)目で見た感覚と実際に身体で感じている意識には相当差がありますから、 日常的に軸の壁の発達を促すトレーニングを行わなくては、詰まらせてヒットにするという 概念すら生まれてこないということですね。こういったメカニズムを正しく理解し、正しい方法で練習すれば間違いなく バッティングは上手くなりますよね。

指導者の方はいろいろな角度からバッティングという身体運動をみてみて センストレと照らし合わせてみると面白いかもしれませんね。選手は上の例でもわかるように、何も考えずただただセンストレに没頭して下さい。 センストレに入り込む。それだけで技術×センスのバランスがとれて打てますので。

なぜか?私が一流のプロの本質を1枚1枚剥がしていくように見極め、何百人もの選手や指導者に 実際に試してもらいトレーニング化したものを提供しているからです。つまり本来自分でつかむべき「バッティングの極意」の部分をシンプルに 誰でも出来るようにまとめて提供しているので時間の短縮ができるということです。

わざわざはじめから行う必要性はありませんからね。

部活を行っている以上求められるのは即効性ですから、極意をつかむのに 10年かかるなんていうのは現実的ではありませんしね。ちょっと難しい内容になってしまいましたが、 一言でいうとプロの発言は「本質を見極めろ」ということですね。

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