夏に最適!!日陰で出来るお勧めバッティング練習
多忙のため中々記事を書く時間が無くて、このブログも久しぶりの更新になってしまいましたね。高校野球も夏の大会が各地で行われていますが、試合を観るたびにつくづく「間合いの支配」というのがバッティングでは本当に重要だなと感じています。そこで今回のテーマは「間」です。タイミングを最適化するコツを、夏の酷暑を効率よく利用して上手に乗り切るテクニックと併せてご紹介します。
昨日、関東でも梅雨明けが発表されましたがこれからの季節にピッタリだと思いますので、ぜひ取り入れてみてください。
金属バット+間合い=番狂わせ!?
高校野球のノックアウト方式の大会では、実力通りにすべてのゲームプランが上手くいくことはほとんどありません。これはいくつもの要因が考えられますが、私が注目しているのは金属バットと間合いの狂いです。近年の金属バットの性能は非常に優れているので、誤解を恐れずに言ってしまえば、ある程度のスキルがある高校生ならば「ヒットを打てる可能性」が彼らには十分にあるわけです。
ただ対戦相手が良い投手・良いバッテリーになってくるとフィードフォワード(こう来るであろうと予測して動作を起こすこと)を裏切られる確率が高まってくるので、平均すると強豪校が順当に勝ち上がるということになるんですが。では、毎年各地で起こるジャイアントキリング(番狂わせ)という現象はどうでしょう。序盤で思うように中々投手を攻略できなくて、あれよあれよという間に終盤へ・・・なんていうゲーム展開は夏の大会には多いかと思います。これも色々な要因が考えられますが、一番大きいのは「間合い」ですよね。たとえば変則投手とオーソドックスな右投手の場合、フィードフォワード通りにスイングできるのは断然後者のオーソドックスな右上手投げでしょう。
練習試合などのノンプレッシャーで変則投手と対戦する場合、中盤から終盤にかけて攻略して実力通りに勝利する事は簡単なのでしょうが、負けたら終わりという極限のプレッシャーの中で、少しの「間の狂い」を試合中に修正していくというのは難しいものです。
原因は体幹部がその場に居着いていること
「死ぬ気でボールに食らいついていけ!!」なんていう根性論の指導を肯定する気はありませんが、ボールの軌道に対してくっ付いていけない体軸というのも考えものです。同じようなチームレベルでも、終盤で点差を引っくり返せる打線とそうでない打線では、この体軸の居着きという点で大きく差がでるんですよ。
間の狂いを調整するには、まずボールの軌道に対して打者は手を早期に出さない事が前提になるんですが、プレッシャーがかかってくる終盤になるとどうしてもバットのリーチに頼りたくなるんですね。でもこれをやってしまうと、余計にフィードフォワードを裏切られるリスクが高まる。その場に居着いてスイングするということは、崩されることを前提に打席に立っていないことを意味しますので、結果的に打ち損じに繋がるんです。
軸足に乗せた体軸をどう操作していくかがカギを握る
変化球の対応力を上げていくにはバッティング動作の中枢である体軸をコントロールする必要があります。良いバッターというのは、この体軸というのが軸足の上にスッと乗っているので、軸足主導のバッティングができるんです。私が指導しているのは軸足の踵を踏み込むという動作。
理想は【タイミング】【方向】【強弱】を意のままにコントロールできること。もちろんトレーニングの初期段階でいきなり理想を求めてもできません、というより見ただけで誰でも出来るのであれば、こんなにも皆が皆タイミングで苦労はしませんよね。私は3つの方向性をまず覚えてもらう事を指導しています。これが本当にすごくて、ハマった時は自分でもビックリするほどめちゃくちゃ打てます。もちろん一時的ですからすぐに戻りますが(笑)ただ工夫しながらタイミング・方向性・強弱という3つの要素を、それぞれ3つずつ分けて練習していると次第に対応できるボールの幅が広がります。
- タイミングは投手の「体重移動」「リリース」「ボールの軌道」の3つ
- 方向は上図を参考に「投手方向」「自分のインパクト」「カットすべきポイント」の3つ
- 強弱は「速球」「速い変化球」「緩い変化球」の3つ
これらをトレーニングすると間の狂いを調整しやすくなります。もちろん軸足が創れていない選手は体軸が軸足に乗りませんので、踵で踏み込んでも何の効果もありませんけどね。ここがセンスの領域です。
暑さで効率の悪い練習をするなら・・・
これはチームの環境によって異なるので私がどうこうできる問題ではありませんが、一つ言える事は「上手くなる」という目的で練習しているのなら、真夏の暑い時間帯にただ打ち込みを行うよりも、日陰で涼みながらこの踵の踏み込みを練習した方が断然良いという事。「精神力を鍛えるためです」と言われれば私は何もいうことはありませんが、少なくてもフィードフォワードを簡単に裏切ってくるバッテリーだと、精神力でどうこうなる相手ではないことは確かです。近年の異常気象を考えれば、もっと合理主義に徹するべきでしょう。
これからどんどん暑くなりますが熱中症に十分気を付けて練習してください。今回はここまで