少年野球のお父さんの悩みに答えてみた
このサイトでは無料メール相談を行っているんですけど、バッティングに関する質問や練習や指導のコツなど … たくさん質問していただいております。数年もやってるとその量は …w というわけで、フォルダがごちゃごちゃしてきたのでちょっと整理しました。その中から質問が重複していてかつセンス的に改善できる質問と簡単な回答をまとめてみました。
個人的にこれは知っておいて損は無いというポイントなど、ユーザー用にまとめておきたいなーと思ったのでメモ書きいたします。ジャンル的には少年野球のバッティングになります。ザーッと書いていきますので良ければ参考にしてください。
あっ、それからいただいた質問内容には技術系の内容が多いです…。大前提として、私は技術的なアドバイスはできません。何故かって?そりゃ『技術は教わるもんじゃない先輩から盗むものだ!』(…ウソです。単純に私は野球という競技が下手くそだからですw)
あくまでセンスアップ専門家として『その悩みはセンストレで解決できますよ』というアドバイスしか出来ないということを頭に入れてからお読みください。
以下の質問に対する回答も、私がこれまでに選手へセンス指導をしたり、指導者の方にアドバイスしてきたものを自由に書いていきますので、打撃スキルが上がるとは思えません。
いざ、生きたボールを打つとボテボテのゴロばかり…
Q.自主トレで素振りなど毎日練習しています。トスバッティングやティーバッティングの練習だと、上手くミートできるのですが、試合になると引っかけたサードゴロや強い当たりでもショートゴロになります。
これは大きく分けて2つ考えられます。1つはバットの扱い方に問題ありな場合です。スイングというのは「相手のボールを打つ」というベースがあり、そこへ気持ち力の入れ方などが変わっていくだけというのがベストです。
この球種・コースはこう振って、この球速だったらこう振る…というように、強い・弱いスイングを分けてはいけないということ。いわゆる相手に合わせたスイングをするなというやつですね。
こうなってしまう選手は「バット中心操」で上半身を柔らかく揺すれるようにしてください。バットの重心がわかってくるだけでも、無理に振り回すような動きが自然と消えてきますので、普遍的なスイングというのが自分の中で見つけられるはずです。
『相手を打つんだ』という意を鍛える
そして2つめは、相手ピッチャーと対峙した時に「意」の部分で押し込まれていないか?ということ。
野球で生きたボールと表現する理由は、こちらの打撃マシンと人間の投手とでは明らかに違うメカニズムがあるからというテーマで以前記事にしました。
バッターと対峙するピッチャーは、まず抑えようとする意(本質的には殺意というもの)が生まれ、次に打ち取る気(本質的には殺気)が生まれ、最後に体(ピッチングモーション)が動くというのが真剣勝負のメカニズム。
練習で生きていないボールをミートできるというのは体の部分ではヒットに出来るレベルだが、意や気の部分で投手に負けているということ。これは少年野球の練習環境が悪いと個人的には思っています。
『基本が大事だから』という理由で実戦系を行わせないのは野球部ではよくみる光景ですよねw だからこの部分をしっかり鍛えてあげればいいんです。試合で相手を打つと思ったら、体だけ考えてもいい結果は得られません。
どんなにバーチャル映像で打撃マシンを打ってもです。タイミングを合わせるというのは体の部分はもちろん、意や気の部分も考えないといけませんね。解決策はカンタン!真剣勝負する回数を増やす。これだけ。小さい頃、公園で友達と野球してた時は必死でしたよね?細かいルールやセオリーとか関係なしに、相手を打つことだけを考えていたはずです。非常にシンプルですよ。
タイミングが合わないのは技術的問題も大きい
センス的には上記2つで多くは解決します。ですが、動いているボール自体に慣れていない…ぶっちゃけ、まだキャリアが足りず試合に出るべきレベルではない場合、センスを鍛えても解決しないでしょう。
そういう場合は何よりもまずボールの軌道に慣れる事が大切。バッティングセンターでも構いませんからバッティングアイを鍛えるといいでしょう。そういう基本的技術があってはじめてセンスは有効になります。もちろん逆もまたしかりですが。
アウトコースのボールが前に飛ばないのだが
Q.学年は1つ下ですが試合に出させてもらっています。左打ちでのバッティングですが、アウトコースのボールが打てません。体が小さいのでインパクトで押し込まれている感じです。本人も外角のボールは苦手なようで当て逃げのようなカットしたファールが多いです。真ん中やインコースのボールならセンター返しのヒットを打てるのですが、修正ポイントは何でしょうか?
実際に本人の映像をみていないので何とも言えませんが、カットで打ち直しが出来ているという部分は面白いですね。というのもバットの正しい扱い方が出来ればヘッドは自然と下がり(※意識的に下げるのではありません)ますので、ボールの下を打つとサード側へのファールで打ち直しできるという現象が起こるんです。もちろんドアスイングで単に振り遅れているだけという可能性も否定できませんが…
どちらにせよ、重要なのは手とバットの関係を常に考える事ですね。普段の素振りから、ベターっと密着するようにバットを握り十分にヘッドの重さを感じながら行うといいでしょう。素直にバットが出てくる意識が養えるはずです。センストレの動画でいうとバット中心操での素振りなどが参考になります。揺すりながら柔らかくスイングしていくことは無意識に行いたいですね。
インパクトで押し負けない強さはあるか?
体が小さいせいかインパクトで押し負けている感じがするというのも見逃せません。左半身に注目してもらいたいのですが、肘から先でインパクトしている感じはありませんか?肩関節からバットを操作していると外のボールは飛びません。脇を締めて肘をブロックすると何一ついいことは無いので注意してください。
押し負けないためには肩甲骨周辺、もっといえば肋骨の運動参加が不可欠です。これは身体を創らないとできない動きですからローリングス系のトレーニングを行うと良いですよ。
インパクトは背骨と肩甲骨の間から押し込むようなイメージだと良いかもしれませんね。
脇を締めたスイングに矯正する方法は?
Q.小学5年生で(右投げ右打ちです)地元の少年野球チームでやっています。バッティングの質問です。素振りは毎日100スイング程をノルマにしているのですが、左脇を締めたコンパクトな振り方ができず、スイングに力強さを感じません。何か矯正方法はあるでしょうか?
まず脇を締めたスイングですが、センス的にはこれはアウトです。脇を締めることでギュッと腕や肩に力が入っているように感じるだけで、実際にバッティングに必要なエネルギーは生まれません。力強いスイングを目指すなら脇は適度に開き、体幹部を目一杯使えるようなスイングを目指すべきです。
コンパクトなスイングという表現の注意
脇を締めてスイングしても、バットの重心(ヘッド)が自分を中心に大きく動いている扱い方を行っている以上、どれだけ最短距離で上から叩いてもそれらはすべてコンパクトとは呼べません。まずは道具の重心に対して自分が動くこと。重みに抗うのではなく素直になること。これが最も重要です。
スキル的な問題で、あまりにも脇が開きすぎているから矯正したいんだという意味でしたら、こちらのホームランの打ち方で解説している傘のポジションを練習するといいかもしれません。肩を上げすぎず常に柔らかく行うのがコツです。
少年野球のための筋トレは必要?
Q.息子のチームでは冬はサーキットトレーニングや腕立て腹筋、背筋、スクワットなど基礎体力をつける練習を行います。これらの基礎トレ意外にパワーをつけるには、他には何処の筋肉を鍛えればいいのでしょうか?自宅で無理なく続けられるトレーニング方法などがあったらぜひ教えてください。
小学生で本格的なウェイトトレーニングを行うわけにはいきませんから、関節に負担がかからないような基礎トレだけでも十分な気がしますが…。
冬場の練習でそのような練習メニューを組んでいるチームなら環境がある程度しっかりしているのでしょうから、トレーニングを行う時の意識を変えてみるというのはいかがでしょうか?
たとえばラジオ体操の例。やり方は誰もが知っていると思いますが、じつはこのラジオ体操は、行う人によって効果が非常に薄い体操になります。
意識を変えれば野球選手として無限の可能性が広がる
体幹部をくまなく動かせる人と手足を一生懸命動かす人では得られる効果が本当に違ってきますし、同じようにジョギングにしたって、体軸でしっかり全身をコントロールしながら軽快に走れる人と、腿や脛の力みが先行してしまい上半身とのバランスが悪く、結果的にドタバタ走ってしまう人では根本的にメカニズムが違ってきます。
筋トレをしたって、ただただダンベルを持ち上げるのではなく「どの部位がどういう質感を持ってどう動くのか?」というのを意識しながら行うと効果が高いですからね。ですから、無理に関節に負担がかかる筋トレのやり方を探すよりも、基礎トレでもいいですから、この意識するという力を鍛えるというのが小学生ではベストな方法かと思います。
腕立てを行う時に、体の軸はまっすぐキープしているか?腰はそってないか?腕のどの部分でプッシュするのか?肩甲骨の動きは制限されていないか?柔らかく暖かい質を持ってプッシュするのか?それとも研ぎ澄ました刃のような硬く冷たい質を持って行うのか?
目的意識を変えようとしたら、やることはまだまだありますよ。真新しい方法を探すのも素晴らしいことですが、時にはいまある練習で具体的にどうすべきかを考えるのも大切ですよ。野球のどの動きにも共通することですから、この部分は小学生には上手に指導したいところです。
ストライクの入らない投手について
Q.地元の少年軟式野球チームの指導をお手伝いしています。チームで二番手の子なんですが、ブルペンでの投球練習ではバンバンとストライクが入るのですが、試合でいざマウンドに立つと全くストライクが入りません。監督からはメンタルが弱いから治しようがないと言われます。具体的に何か解決策は方法はありますでしょうか?
確かにメンタルが弱いと本番では実力が発揮できませんよね。ただ練習中ではストライクが入るという点からすると無茶苦茶な投げ方でコントロールが悪いというわけでもなさそうです。
3つの軸をガイドラインに投げてみる
私はよく身体座標軸を使ってバッティングを解説したりするのですが、ピッチングでもこれを利用すると意外と上手くいったりまします。マウンドに立ったらまず自分の体の中心に軸を意識します。上手くできなければその場で軽く弾んでください。そしたら次にキャッチャーミットを見ます。ミットの芯から上下へ垂直に伸びる軸を意識します。最後に、その2つを合わせるようにバッテリー間に水平に伸びる軸を意識してください。
これら3つの軸を意識できると投げる方向が安定してきて体重移動も上手くいき、結果的にリリースポイントもまとまってきたりもします。カンタンな方法ですが威力は抜群ですからぜひお試しください。
かなり長くなりそうなのでここらへんで終わりにしておきます。メール相談はこちらから受け付けてます