バッティングが不調の時はどんな練習をすれば良い?
部活で野球を行っていると最も悩むのが、試合に出るにはレギュラーにならなくてはいけないということですよね。監督にアピールするためにも、シーズンを通しての安定感を得たいわけですが、様々な工夫をして練習に取り組んでいても、大小のスランプの波がどの選手にも起こるはずです。バッティングが不調で思うような結果が出なかったときに、選手はどんな練習をして克服していけばいいか?
打撃不振に陥っている時は様々な要因が関係していますが、最も大きいのは身体が思う様に動かなくて、メンタル面もボロボロな状態ではないでしょうか?技術的にはヒットが打てるはずなのに、いつも通りのリズムでスイングしても、バッティングフォームを少し変えてみても結果が変わらないときはどうしても消極的になったり凡ミスが続いてしまいますからね。
最低限のことを行いながら結果が出るまで耐える強さ
先日、山本監督率いる侍ジャパンが、いよいよWBCに向けて始動しました。そんなWBCですが、前回大会を皆さんは覚えていますか?予選から極度の不振に陥っていたイチロー選手が、最後はきっちりまとめるというドラマが生まれました。
野球選手としての年齢を考えれば、若い頃と比べても身体の細かい部分が急激に固くなり、今まで出来ていた動きに狂いが生じるのは当然です。前回大会のWBCでも、身体が絶不調で精神的にも苦しかったというような発言していたのも印象的でした。
でも、やはりというか凄いなと思うのが、絶不調で大スランプの中、動かない身体に対して打席で身体を揺すっているという部分です。
身体の調子が悪いと重くて気怠いのは人間ならだれでも感じますが、それでも『頼むから柔らかく動いてくれ』と言い聞かせるように丁寧に調整していく。そういう意識が通常の選手とはものすごく差があるなと思うんです。
『不調なのはわかった。でも最低限のことをしておこう』『少しでも身体さえ動くようになってくれれば打てるから今は耐えよう』こんな意識で普段の練習していければ、いまやるべきことを見失う事は無くなるでしょうし、ちょっとやそっとでは動じないメンタルも発揮できます。
スランプ脱出のカギはシンプルになるということ
それから真面目な選手に多い例ですが、あれこれ難しく考えすぎてしまい自分を見失ってしまうパターン。
技術的にヒットが打てないレベルなら、それは本人の努力が足りないので何ともコメントしようがありませんが、打てるのに打てない状態で、あれこれ考えるのは危険です。相手を打つことにシンプルになり、最低限やるべきことをやるというスタンスが最も良いと思います。
不調なバッターが最低限やっておくべきこととは?
では実際に何を行えばいいのか?バッティングのスランプというのは、様々な要因が関係しているため、これをやれば大丈夫というのがありません。ですが、センストレで身体を調整することはどのバッターも行っておきたいところです。
私がお勧めするのは、バット中心操と軸足。バットの芯を感じてしっかり軸足に重心を置きボールを待つ!シンプルにこの2つだけです。
ボールが芯に当たらなかったり、スイングに安定感が出なかったりする原因は、バットの重心が身体で正確に感じ取れていない場合が大きいので、イチロー選手のようにバットの土台となっている全身をしっかり揺すっておく必要があります。
それから不調なときは、スイングの始動が遅れたり、ボールに対してタイミングがどうも合わなかったりしますから、軸足にしっかり体軸が真っ直ぐ乗っているか、外側へ乗っていないかをひたすら調整していくのが良いでしょう。
重心を高く気持ちも動きも軽やかにするのも良い方法
気持ちがどんよりすると、どうしても普段より腰の高さが低くなったりして動きが鈍くなります。精神的に弱くなっていると背中も申し訳ない感じで縮こまってしまいがちですから、しっかり高重心になるよう身体の軸を意識してみてください。
気持ちも軽やかにあまり結果を気にしないように、むしろスランプを克服するに至るまでの過程を楽しむくらいの気持ちで練習を行ったり試合で打席に入るようにすると上手く行ったりもします。
腹式呼吸法もメンタル面を鍛えるのに非常に有効とされていますので、行っておくと急な緊張にも対応できます。ただ、呼吸を変えるというのは普段から行っていてある程度慣れていないと、緊張した場面ではあまり役に立たないという点に注意してください。
シーズンを通してバッティングの安定感を得るのは、いうほど簡単な事ではありませんが、調子の波を小さくすることは誰でもできることです。従って、普段の練習からひとつひとつをしっかり意識して、『自分の中でこうすれば必ず調子は上がってくる』という引き出しをいくつも作っておくことが大切です。